近年、急成長を続けているeスポーツ市場。国内市場規模は2020年の67億円からさらに拡大し、2024年には180億円を超えると見込まれています。
市場の拡大を受けて、国内外のプロゲーミングチームを支援したり、eスポーツ大会の運営や開催施設を支援したりと、eスポーツにスポンサーとして参入する企業も年々増えているといわれますが、その中で、株式会社平山は2021年7月、従業員のeスポーツ大会参加を支援するユニークなスポンサード制度を構築しました。
スポンサード制度の内容や狙い、導入に至るまでの経緯、そして、今後の目標等について担当者に聞きました。
当社の全従業員を対象とした制度で、ゲーム大会出場時の成績に応じて、AからCまで３つのランクを付与し、それぞれのランクに応じた支援を行う仕組みを構築しています。称号の獲得条件や具体的な支援内容については、下記の表をご参照ください。
申請方法に関しては、まず、大会の２週間前までに専用ホームページにて事前申請を行っていただき、これをもとに運営委員会が１次審査を行います。１次審査の通過者は大会に参加した後、成績を運営委員会に報告。2次審査を経て、A〜Cのスポンサードランクを決定する仕組みです。支援期間は１年間ですが、申請回数は問いません。
支援の対象となるゲームジャンルに関しては、FPS（一人称視点シューティングゲーム：First-Person Shooter)からTPS（三人称視点シューティングゲーム：Third-Person Shooter）、格闘ゲーム、カードゲーム、MOBA(Multiplayer Online Battle Arena)、スポーツ、パズルなどを想定しています。
eスポーツ市場が急拡大を遂げており、当社のターゲット層である20代～30代の男性が大勢参加しているという情報をキャッチしたのがきっかけです。「当社にもeスポーツを楽しんでいる従業員がいるのではないか」「eスポーツを楽しめるということが、平山を選ぶ理由の一つになっていくのではないか」といった可能性を感じ、スポンサード制度に関する検討をスタートさせました。
運営委員会には、eスポーツを楽しんでいる者から、王道のゲームしかやったことが無い者まで、さまざまなメンバーが揃っています。プレイヤー目線に立った議論はさることながら、知識ゼロの人たちの意見もしっかりと汲み取りながら、制度をつくり込んでいきました。経営陣は「新しいことにどんどんチャレンジしてほしい」という考えですので、「まずはやってみよう！」ということで、今回の制度を導入した次第です。制度導入の狙いとしては、支援制度の利用による社内従業員の定着率向上、社内従業員の平山に対するイメージアップに役立てていきたいと思っています。
できるだけ多くの従業員に、スポンサード制度に挑戦してもらいたいという思いがあります。間口を広げるために指定タイトルは敢えて設定せず、すべてのゲームに興味のある方を応援する仕組みをつくることを心掛けました。制度活用者の人数に関しては、年間30～50名に申請してもらい、6割程度の方が審査を通過する状況をつくれるといいなと思っています。現在eスポーツを楽しんでいる人はもとより、これからやってみたいと思っている人にも応募いただきたいですね。
好きなものにのめり込み、高い目標に挑むチャレンジ精神、結果を残すために努力を積み重ねる一生懸命さ、真剣さを仕事に活かしてもらいたいと思っています。eスポーツはこれから先、間違いなくメジャーなコミュニケーションツールになると思います。派遣就業先企業様の間で「平山には仕事ができてゲームも得意な人がいる」という話題が上るくらいまで、認知度を高めていきたいですね。
従業員さんや当社への入社を検討されている方がワクワクするような企画をつくり、申請者を増やすことです。ランク獲得までのハードルが高くないか、制度の内容が正確に伝わっているか、さまざまな検討を重ねながら、しっかりと告知を繰り返していきたいと思っています。また、今後は従業員さんの定着度向上にむけて、拠点対抗戦などの社内大会も企画する予定です。ゆくゆくは、平山独自のプロチームをつくり、当社のユニフォームを着用したプロゲーマーたちが大きな大会で活躍する姿をこの目で見たいですね。